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シズオカ

50日間の静岡滞在を終え、無事東京に戻ってまいりました。『薔薇の花束の秘密』。角替和枝さんと美加理さんによる二人芝居。どうにかこうにか、やりきりました。
上演場所は静岡芸術劇場。病院の一室という設定のわりになかなか広い劇場空間だったので、演出家として、まずはそれを攻略できるかどうかが難易度100の大問題でした。結果的に、壁などで狭く仕切らず、だだっ広いままの舞台セットにして大正解でしたが、照明プランナーの大迫さんの尽力なしにはあそこまでうまくいかなかったと思います。
そして、女優二人に襲いかかる膨大な台詞量と複雑な“役”の切り替え。これが難易度200でした。シェイクスピア劇などに比べるとそれはそれは地味な会話の連続なのですが、作者プイグが実に巧妙に物語を展開させているので、どこもかしこも重要箇所。女優二人の休みどころなんて、一切なし。二時間半、フルパワー。舞台監督の話では、休憩中に角替さんからガウンを脱がす時、バチバチッと電流が走ってきたとか。あれは静電気でなく角替さんの体内から発されたものに違いないとのこと。
加えて、難易度300だったのは、12回にも及ぶ中高生の特別観賞。彼らにとってけっして身につまされるわけでもない、この大人の女性の物語を、一体どう届けたらいいものか……慣れぬ緊張感を味わいながら、毎日、本番に臨みました。意外にも、坊主頭の中学生男子が食い入るように観てくれてたりすると、ほんとにもう嬉しくて嬉しくて、その坊主頭に頬ずりしたい気持ちになったものです。
そんなこんなで2015年の締めくくりに、とても高い山に挑ませていただきました。人混みと排気ガスの東京にいると、静岡でのあの日々が懐かしく思われて仕方ありません。原生林、星空、とろろご飯、温泉、富士山、馬、みかん(食べ過ぎ)、藤の家の女将、フクロウのいる喫茶店、美加理さんから配達される静岡新聞。今となっては、まるで夢のよう……。
静岡芸術劇場にお越しくださいました皆様、県内からも県外からも、本当にありがとうございました! ちょこっと休んでから、次は3月にお久しぶりのマクドナー作品です。劇場でまたお会いできたら幸いです。
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カカワリ

昨日、『谷間の女たち』の千秋楽を迎えました。劇団昴のあの活気にどっぷり浸かっていたので、今はなんとも寂しい気分です。活気の核となっていたのは、ソフィア役の久保田民絵さんで、誰よりも明るく、誰よりもお茶目で、誰よりも馬力のある方でした。民絵さんの存在なしには、ここまでの集団エネルギーは望めなかったと思います。カーテンコールの時、民絵さんをセンターにして総勢24名の俳優が舞台幅びっしりに並ぶのですが、あれを見るたびに今回の座組の幸せを噛みしめておりました。
さて、パンフレットにも書いた通り、私はかつて桜美林大学でこの戯曲を一度演出しております。機会を与えてくださったのは、先日お亡くなりになった文学座の高瀬久男さん。その本番後に飲み屋で、芝居全体の出来を随分褒めてくださいましたが、ラストの2発の銃声については異議を唱えられました。当時の私は戯曲のト書き通り、暗転の中での銃声にしたのですが、高瀬さん曰く「ちゃんと見せたほうがいいと思う、演劇の力はそこにあるんじゃないのかな」。胸に突き刺さるご意見でした。
あれから5年。私は今回、銃声のシーンをあのような目視できるものに作り替えました。他にも舞台美術が深紅の床になったり、女たちの踊りがフラメンコ風になったり、たくさんの新しい趣向を盛り込むことができました。と同時に、桜美林の学生たちと共に築き上げた表現方法も、ふんだんに踏襲させてもらいました。『谷間の女たち』を再び演出する機会を得て、自分がいかに多くの人たちとの係わりの中でもの作りをしているのか、今さらながら感じ入った次第です。
次は、静岡のSPACで『薔薇の花束の秘密』という作品に取り組みます。女優さんによる二人芝居……はじめてのことです。緊張します。わくわくします。ちなみに作者のマヌエル・プイグはアルゼンチンの人。偶然にも、南米の劇作家が続きます。
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スバル

劇団昴でまた演出しております。前回の『汚れた手』とはうってかわり、今回は女優さんがたくさん出演する芝居です。『谷間の女たち』。劇団昴にぴったりな骨太な作品です。圧政下での女性たちの怒り、哀しみが痛切に描かれているので、立ち稽古に入ると一気に緊張感がみなぎります。が、それ以外の休憩時などは女優さんたちの賑やかな声が絶えないので(本当に絶えない!)、非常にバランスのよい創作現場だと思います。劇団昴のこの明るさと真面目さが私は好きなのです。
さて、今日から稽古場が変わります。実寸大の舞台セットを組んでの詰めの稽古に突入します。私のあきらめの悪さは『汚れた手』の時にすでにバレているので、ある意味、気は楽です。思う存分、粘れます!
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ジンミンノテキ!

いや、熱い夏でした。パワフルなおじさまたちと駆け抜けた夏……。『人民の敵』無事幕を降ろすことができました。吉祥寺シアターにお越しくださいました皆様、ありがとうございました!
こういう密な空間、濃い座組でのイプセン劇の演出は、実に新鮮な体験でした。前回のブログでも新鮮という言葉を使いましたが、それはやはり何物にも代えがたく幸せなことなのです。私と同じ欲深な綿貫プロデューサーとあれこれ画策し、じたばた共闘してきた甲斐がありました。『東海道四谷怪談』に引き続き、上演台本のフジノサツコにも大いに助けられました。今度はいつどのような形でイプセン劇との出会いがあるか、楽しみで仕方ありません。もっともっと腕を磨かなくてはね。
次は劇団昴で『谷間の女たち』という作品を演出します。タイトルの通り、女たちの物語です。おっさん祭りとは、しばらくさようならです……!
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ムサクルシイ

『人民の敵』、ついに劇場入り。今回は吉祥寺シアターにて、囲み客席の四面舞台です。思い返せば、ここ数年間は額縁舞台の演出ばかり。なので、こうした四面舞台の芝居づくりは楽しさも新鮮なら、苦しさも新鮮で、いつもとはちょっと違う興奮を覚えている私です。
まあ苦しいといえば、男だらけの座組はさすがに暑苦しく……今日は有難いことに自身の誕生日を祝っていただきましたが、こんなに低いトーンのむわっとした「ハッピバースデートゥーユー♪」を聞いたのは人生初。ケーキのプレゼンターが松永玲子さんだったことが唯一の慰めと言えましょう。
さて、明日も引き続き、場当たり稽古。いよいよ実際の劇場でしか作ることのできない“あるシーン”に取りかかれます。胸が高鳴ります。このむさ苦しくもタフな座組に感謝をしつつ、まだまだ全力で粘る所存!
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ドリャ

『東海道四谷怪談』、幕。
長い闘いだった。稽古や本番の期間がとりわけ長かったわけではない。そこに至るまでの準備の期間が、長かった。中劇場でこの作品を演出すると決めてから、2年半の月日が経つ。上演台本のフジノサツコと共に、本当に様々な角度からこの作品に向き合ってきた。結果、我々の『東海道四谷怪談』は、伊右衛門とお岩の物語に焦点を絞ることとなった。ラストシーンのお岩の咆哮は、フジノサツコが長い長い難産の末に血だらけになって産み出した魂の光景だ。
内野さん、秋山さん、他の19名の俳優の皆さん、そしてスタッフの皆さん、お疲れ様でした。あれやこれやの私のわがまま、ご容赦くださいませ。やりたいことは全てやらせていただきました。感謝の言葉もありません。にしても和物の早替えって大変なんですね。勉強になりました。あと猫の鳴き声はやっぱり猫を飼っている人に限りますね。岳大さん、迫真の断末魔でした!
劇場にお越しくださいました皆々様も、誠にありがとうございました。賛の意見も、否の意見も、今後に向けての刺激剤としてがっつり頂戴いたします。次の演出はオフィスコットーネで『人民の敵』。再びのイプセンです。でもって、またまたおっさん祭りです。お楽しみに。

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サアサアサア

『東海道四谷怪談』、早いもので中日を迎えます。私は毎日劇場入り。いつものように、千秋楽まで闘いは続くわけでして。あっちの楽屋からこっちの楽屋へと、お岩さんの如くさまよっております。
今回はなにかと舞台美術照明音響あたりが目立っていると思いますが、実は衣装がすごくいい。プランナーの中村さんが、従来の四谷怪談の世界を踏まえつつ、新しい人物像に相応しい色・柄を持ち込んでくださった。全体的にも見事なバランス。美しい。着物の魅力にとりつかれ、和物の古典作品がクセになりそう……。
サアサアサア、新国立劇場までどうぞお越しくださいませ。当日券のZ席なら1620円です。朝日新聞になにやらトンチンカンな劇評が出ましたが、伊右衛門に絡まれた左門の如く「ハハハハ」と笑って返すほかありません。一般のお客さんのほうが、もっと面白い賛否両論を聞かせてくれます!

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ヤヤヤヤヤ

新国立劇場にて『東海道四谷怪談』、無事幕が開きました。というか、強引に“こじ開けた”といった感じです。なんせ要素の多いお芝居なので、劇場入りしてからの数日間は本当にてんやわんやでした。キャスト・スタッフの皆さんの頑張りに、まずは感謝です。
このたび初挑戦となった中劇場という大きな空間。私なりにここでしか果たせない『東海道四谷怪談』の演出を試みた次第です。鶴屋南北とフジノサツコの世界観を土台に、歌舞伎とはまた違う人物造形とケレン味を目指しました。とはいえ、やればやるほど、歌舞伎の洗練に気づかされたことも事実です。お客さんが今回の作品に対してどのような感想を抱くのか、知りたくてたまりません。
28日が東京の楽日です。是非のお越しを。
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ユメ

俳優の西本裕行さんのお通夜に行ってまいりました。
あまりに突然のお別れで、なんだかまだ信じられません。2010年の冬、水戸芸術館のリーディング公演『十二人の怒れる男』に参加していただいた時、西本さんはすでに83歳。なのにその後、私は西本さんのお歳をまったく考えずに、次々とハードなお芝居にばかり出演のお願いをしてきました。モナカ興業の『43』ではかつて校長先生だった父親を、水戸芸術館の『夏の夜の夢』ではいたずらな妖精パックを、新国立劇場の『エドワード二世』では真っ赤なスーツの殺し屋ライトボーンを演じて下さった西本さん。たまに「枯れた芝居ができないんだよねぇ……」と自嘲的に語っておられましたが、あの瑞々しい声とエネルギーは一体どこから湧いてでるのか、共演者の誰もが「あの人は怪物だ」とぶったまげておりました。
そんな怪物の西本さんとなら、この先もっともっとあと何本も現場をご一緒できるに違いない。いつ しか勝手にそう思いこんでいた私。現に今年の秋には劇団昴の『谷間の女たち』に出演していただく予定でした。が、その願いは叶わねものとなったわけです……。本当に突然、春風と共に逝ってしまわれました。なんとも西本さんらしい幕引きです。お通夜の会場に飾られていた西本さん扮するパックの写真に、どっと寂しさがこみ上げてきました。写っていたのは幕引きの口上の場面。「影にすぎない私ども、もしご機嫌を損ねたなら、お口直しに、こう思っていただきましょう。ここでご覧になったのは、うたた寝の一場のまぼろし。たわいない物語は、根も葉もない束の間の夢……」

西本さん、たくさん夢を観させていただきました。ありがとうございました。
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ウタゲ

水戸での宴が終わりました。
『十二夜』は日本でも頻繁に上演される演目なので、自分も今までに何回か観たことがありましたが、演出したのはこれが初めて。パターンには陥りたくないし、かと言って戯曲の面白味は損ないたくないし……と、あれこれ悩み続けた2ヶ月間でした。美術の堀尾さんによるカラフルシンプルな幕の舞台と、俳優陣の底抜けの元気のおかげで、なんとか活路を見出だせた次第です。私が目指していた、洗練とは無縁な粗っぽいシェイクスピア喜劇になったと思います。
そして『わたくし、マルヴォーリオは―』の方は、本当にもう近藤芳正さんの技と情熱なしには創作不可能な一人芝居でした。客いじりが前提となっている作品なので、客席の反応はそれなりに予測していたつもりでしたが……いやはや、水戸の方々を甘くみておりました。こんなにもグイグイ参加してくるとは。予測、大はずれ。近藤さんも私も嬉しい悲鳴。水戸芸術館ならではのとても幸せな演劇体験でした。
お越し下さいました皆様、誠にありがとうございました!!

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