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ユメ

俳優の西本裕行さんのお通夜に行ってまいりました。
あまりに突然のお別れで、なんだかまだ信じられません。2010年の冬、水戸芸術館のリーディング公演『十二人の怒れる男』に参加していただいた時、西本さんはすでに83歳。なのにその後、私は西本さんのお歳をまったく考えずに、次々とハードなお芝居にばかり出演のお願いをしてきました。モナカ興業の『43』ではかつて校長先生だった父親を、水戸芸術館の『夏の夜の夢』ではいたずらな妖精パックを、新国立劇場の『エドワード二世』では真っ赤なスーツの殺し屋ライトボーンを演じて下さった西本さん。たまに「枯れた芝居ができないんだよねぇ……」と自嘲的に語っておられましたが、あの瑞々しい声とエネルギーは一体どこから湧いてでるのか、共演者の誰もが「あの人は怪物だ」とぶったまげておりました。
そんな怪物の西本さんとなら、この先もっともっとあと何本も現場をご一緒できるに違いない。いつ しか勝手にそう思いこんでいた私。現に今年の秋には劇団昴の『谷間の女たち』に出演していただく予定でした。が、その願いは叶わねものとなったわけです……。本当に突然、春風と共に逝ってしまわれました。なんとも西本さんらしい幕引きです。お通夜の会場に飾られていた西本さん扮するパックの写真に、どっと寂しさがこみ上げてきました。写っていたのは幕引きの口上の場面。「影にすぎない私ども、もしご機嫌を損ねたなら、お口直しに、こう思っていただきましょう。ここでご覧になったのは、うたた寝の一場のまぼろし。たわいない物語は、根も葉もない束の間の夢……」

西本さん、たくさん夢を観させていただきました。ありがとうございました。
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